赤ちゃんの舌が短い(舌小帯短縮症)と起きる問題
1.舌が上顎に付かない、届かない症状は、舌小帯短縮症
皆さんは初めての赤ちゃんなら尚更ですが、赤ちゃんをすぐ側で見たことが無いと思います。
自然と生まれたばかりの泣いている赤ちゃんの舌に目が行くと思います。
舌が少し上に挙がっているのですが、ぷるぷると舌が泣き声と同時に震えていて、舌の裏のスジ(舌小帯:ぜつしょうたい)が吊れてあまり動きません。
更に、泣き声に合わせて舌小帯が引っ張られ、舌先が割れているハート舌になっています。
舌小帯がもっと舌の根元に付いていると、スプリット・タンと言って、へびの舌のように2つに割れているように見えます。
海外では、赤ちゃんの舌小帯は薄い膜状で、水掻きみたいな構造なので、赤ちゃんのうちにハサミでチョキンと切るだけです。
将来、発音に影響することが分かっているからですが、強制ではありません。
舌小帯の短い状態のものを全般的に、舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)と言う病気です。(日本では保険診療可能)
舌小帯短縮症は舌癒着症(ぜつゆちゃくしょう)とはまったく関係ありません。
舌癒着症と言うのはある医師が作った架空の病名です。
舌癒着症の正式名称は、舌・喉頭蓋・喉頭前方偏位症らしいです。
舌小帯短縮症で舌先に舌小帯が付いている状態で、舌癒着症は舌小帯が短いことは全く関係なく、舌の根元が下顎骨に癒着していて、舌や喉の奥にある喉頭蓋(こうとうがい)や喉頭(こうとう)が前に引っ張られている状態を指しているようです。
しかしながら、この状態を示すレントゲン、MRI(磁気共鳴画像:Magnetic Resonance Imaging)でもその病態が示されていない。
確定診断は、患者さんが舌癒着症の病院に連絡した時点で殆ど決定し、指定日に来院させ、問診(髪の毛が逆立っている、大理石模様皮膚など)、舌小帯の長さと付着位置の分類、赤ちゃんでもファイバースコープを入れ、パルスオキシメーター(泣いている赤ちゃんは息が止まるため92%)は正常99%なのに100%出ないと言うことで舌癒着症になる。
舌癒着症の手術の問題点は、舌が癒着している下顎骨の部位では無く、舌の裏の中央部で、真一文字に舌小帯の下の筋肉3層まで深くレーザーで切ることです。
切開後に縫合をせずに開放創のため本当の癒着になる。
切りっぱなしの舌の筋肉や血管や粘膜が癒着するのである。
そのため余計に舌が動かなくなる。
舌癒着症のもう一つの問題は、舌・喉頭蓋・喉頭の位置が客観的に計測されていないので、レーザーで切りながら、舌・喉頭蓋・喉頭が本来の位置に戻ったかどうか確認しないことです。
心臓手術のカテーテル手術の様にレントゲンで確認しながら施術する必要がある。
闇雲にオトガイ舌筋3層切るではいい加減すぎる。
更に鼻の穴を大きくして呼吸が楽になると言う、口腔前庭拡大術という架空の手術名で、鼻の下の筋肉をレーザーでズタズタに切ってしまう手術が必ずセットで行われる。
しかし、これは手術しなくても鼻腔拡張テープ(ブリーズライト)で代用できるそうである。
2.舌小帯短縮症の赤ちゃんで哺乳障害が出る場合とで無い場合の違い
赤ちゃんは母乳を飲む時は、上顎の口蓋(こうがい)に吸啜窩(きゅうてつか)と言う凹みがあり、乳首を引っ張り込み吸啜窩に舌で固定し、舌で波打つように上下運動で母乳をしごいて飲む。
しかし、舌小帯短縮症の赤ちゃんですと舌が上に挙がらないので乳首を吸啜窩に固定できません。
そのために母乳を飲むことができず、泣き疲れて寝てしまい、空腹ですぐまた起きて母乳を飲めずに泣きます。
夜泣きも同じ原因です。
そのためにお母さんはお乳が張って、終いには乳腺炎になります。
その反面にお母さんの母乳がシャワーの様に何もしなくても出る場合は舌小帯が短くても容易に母乳が飲めるために、舌小帯短縮症が見過ごされてしまいます。
小児科に舌小帯短縮症でかかっても体重増加に問題なければスルーされます。
舌小帯短縮症で小児科にかかっても何もしてくれないので、お母さんは助産師に相談して、舌小帯を切ってくれる医療機関を紹介してもらうか、自分で哺乳瓶の乳首の穴を箸で大きく開けて赤ちゃんに飲ませている方もいます。
また、赤ちゃんの哺乳の際には舌の喉の奥にある喉頭蓋(こうとうがい)は生後6か月まで動かずに直立したままです。
そのおかげで赤ちゃんは、哺乳しながら鼻で呼吸できます。
息継ぎしなくてもいいのです。
赤ちゃんは母乳は嚥下でなく、食道まで垂れ流しです。
そのため空気も一緒に飲むので、ゲップさせないとお腹にガスが溜まります。
舌が気道を塞ぐことはありません。
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